須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成24年9月号掲載
平成25年3月31日
 上記の期日は中小企業金融円滑化法の最終期限です。
この法律は、中小企業や住宅ローンの借り手が金融機関に返済負担の軽減を申し入れた際に、できる限り貸付条件の変更等を行うよう努めることなどを内容とする法律です。平成20年(2008)秋以降の金融危機・景気低迷による中小企業の資金繰り悪化等への対応策として、平成21年(2009)12月4日に約2年間の時限立法として施行されました。期限を迎えても中小企業の業況・資金繰りは依然として厳しいことから、平成25年(2013)3月末まで最終延長されました。

 金融機関は要注意先を事業の持続可能性等に応じて次のように分類し、外部専門家・外部機関等と連携して適切な提案を行うこととされています。

@ 経営改善が必要な債務者
    (自助努力により経営改善が見込まれる債務者)
A 事業再生や業種転換が必要な債務者
    (抜本的な事業再生や業種転換により経営の改善が見込まれる債務者)
B 事業の持続可能性が見込まれない債務者
    (事業の存続がいたずらに長引くことで、却って、経営者の生活再建や当該債務者の
    取引先の事業等に悪影響が見込まれる債務者)

 あと半年あまりでこの法律が終了するわけですが、月々の試算表、決算書をみていると資金繰りに苦しんでいるところは、相変わらず苦しいままです。要するに経営改善はあまり進んでいないため、返済能力は向上していないということです。
 返済能力をみる一番簡単な目安は税引後利益+減価償却費です。
 減価償却費を加える意味は、各種費用のうち唯一資金支出を伴わない経費のためです。これが、マイナスとなっているということは、返済能力なしということとなります。
 税引後利益+減価償却費>借入金返済額となっているか確認すると同時にマイナスとなっている場合は、この法律が終了してもしなくても返せない(貸したくても貸せない)と言うことですので、早急な対応が必要だと言うことを強く認識しなければなりません。


  
                所長 須田幸英
 事務所通信9月号掲載
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